「給料はそんなに変わらないのに、毎月の支出だけがじわじわ増えている」――そう感じている方は、いまとても多いと思います。
実際、2026年のある生活トレンド調査では、「物価高」への不安が48.4%にのぼり、「自分の健康」(47.7%)とほぼ並びました。これまで多くの世代が抱えてきた「収入や資産価値の低下」への不安を、ついに「物価高」への不安が上回ったのです。
つまり、いま私たちが直面しているのは、「将来お金が減るかも」という漠然とした不安ではなく、「今日のスーパーのレジ」「今月の電気代」という、毎日の生活そのものへの不安です。
私は現役の小学校教員で、いま38歳。年齢的には、いわゆる40代手前の世代です。妻と子ども二人、両親との6人暮らし。43歳でのサイドFIREを目標に、少しずつお金との付き合い方を整えてきました。
この記事では、「物価高に追いかけられている感じ」が消えない毎日を、どうすれば少し軽くできるのか。そのために私が実際に取り組んでいる「小さな一歩」について、お話しします。読み終わるころには、「貯金が増えなくても、自分でできることはあるんだな」という小さな手応えを、きっと持ち帰っていただけるはずです。
教員の私が向き合った、3つの現実
① 30代で順調だった貯金が、40代に近づくと足踏みする
30代前半の頃は、給料の中から少しずつ預金が増えていく実感がありました。けれども、子どもが大きくなり、教育費の存在感が増してくると、貯金グラフの傾きが緩やかになっていきます。
教員という仕事は、年功で給与が積み上がっていく代わりに、急激に増えることもあまりありません。「今のペースのままで、子どもの教育費も、自分たちの老後も、両方支えられるのか?」――この問いに、私は30代半ばで一度立ち止まりました。
私も、増えない手取り、そして消えていく固定費たち。保険、家賃、光熱費…。そんな現実をどうにかしたくて貴重な貯金を良く理解もしていないのに外貨建の保険を買う…。そんなことをしていました。
② 「物価高」は、貯金だけでは追いかけきれない
2026年に物価高への不安が突出したのは、私たちの体感とも一致します。同じ食材、同じ光熱費、同じ教育サービスを買うのに、必要なお金がじわっと増えている。
ここで難しいのは、銀行預金は元本が減らない代わりに、物価が上がれば「同じお金で買えるもの」は少しずつ減っていく、という点です。つまり、預金だけを積み上げていく戦略は、物価高の時代には目減りしていく戦略にもなり得ます。学んでこなかった私は、そのことを理解しいませんでした。
私はこの事実に気づいてから、「攻めの投資をする」というより、「物価上昇に置いて行かれない自分にしておく(稼いだお金の価値を保存する)」という発想に切り替えました。これは、ハイリスクな投機とはまったく別の話です。
③ 40代は「複利」を最後にしっかり味方にできる世代
よく言われる「複利の魔法」は、若い人だけのものではありません。年利5%で運用できれば、おおよそ14年程度で資産は倍に近づくと言われています(いわゆる72の法則)。
たとえば40歳から始めても、現実的に働き続ける60〜65歳までには、複利の恩恵を受ける時間が十分に残っています。むしろ40代は、「収入のピーク」と「複利が効き始める時間軸」が重なる、最後のまとまったチャンスの世代だと、私は受け止めています。
私は、33歳頃から本格的にインデックス投資を始めました。本では上記のようなことが書かれており、本当に増えるの?一部の人間だけじゃないの?と懐疑的でしたが、現在はその福利の恩恵を味わうことができ、やってきてよかった!と強く思っています。
今日からできる、小さな一歩
ここからは「ではどうすればいいのか」を、できるだけ生活感のある形でお伝えします。私自身が現在進行形で実践していることを土台にしています。
① 家計を「固定費の地図」に置き換える
最初にやるのは、投資の勉強ではなく、「自分の家計の固定費が何にいくら出ているかを、ざっくりでいいから一覧にする」ことです。住居費・通信費・保険・サブスク・教育費。一枚の紙に書き出すだけで、「物価高で増えやすいところ」と「自分でコントロールできるところ」が見えてきます。
私は教員という仕事柄、「板書」のように一枚にまとめるとスッキリしました。ここを整えるだけで、月々の手取りの中から、無理なく投資にまわせる余白が見つかることが多いです。
私は、スマホに簡単に入れられる家計簿アプリ「マネーフォワードME」を利用しています。無料版をまず使用してみてください。銀行口座などの連携を全てしたいと思ったとき、月々少し費用がいりますが、これは本当におすすめです!自分の資産を「見える化」するだけでもお金はたまります!

② 「自動で積み立つ仕組み」を一つ作る
家計の余白が見えたら、次は仕組み化です。私はインデックス投資の積立を、給料日の翌日に自動で買い付ける設定にしています。一度設定してしまえば、相場を見て一喜一憂する必要がなくなります。
ここで大事なのは、金額の大きさよりも、「決めた額が、決めた日に、自動で積み上がっていく」という流れを作ることです。続けやすさは、利回りより強い――これが、複利の世界での私の実感です。
③ 「攻め」より「守り」の投資から始める
私自身は、インデックス投資に加えて高配当株や賃貸用の不動産も保有していますが、これは何年もかけて少しずつ積み重ねた結果であって、最初から派手に動いたわけではありません。
最初の一歩としておすすめしたいのは、つみたてNISAなどの非課税制度を使った、全世界株・米国株インデックスへのコツコツ投資です。「自分が今日選んだファンドが正解か」よりも、「10年後15年後も淡々と続けていられるか」を基準に商品を選ぶと、迷いが減ります。
私自身、少しは「攻めの投資」をしたいと思って個別株も保有しています。ですが、利益が出すために売買をしても手数料など、長期で見るとインデックス投資の方が成績はいいです。「守りの投資」が実は、一番の攻めの投資なのかもしれません。
④ 「学び」と「お金」を切り離さない
最後にもう一つ。物価高の時代の本当の防御は、「自分の稼ぐ力」を細く長く育てておくことだと、私は思っています。私は30歳のときに教職大学院に進学しました。直接的にお金が増えたわけではありませんが、自分が長く働き続けるための土台になった、と感じています。
学び直し・副業・スキルアップへの投資は、利回りが見えにくい代わりに、リターンが「給料の伸び」と「働き続けられる年数」で返ってきます。複利の話と、本質的には同じ構造です。
まとめ:物価高に振り回されない自分へ
整理すると、この記事のポイントは三つです。
- 2026年は「将来不安」より「今の物価高」の不安が上回った年。私たちの不安はすでに「日々の生活そのもの」に降りてきている。
- 預金だけでは物価上昇に置いて行かれやすい。一方で、40代は「収入のピーク」と「複利が効き始める時間軸」が重なる貴重なタイミングである。
- 最初の一歩は、派手な投資ではなく、固定費の見える化・自動積立・守りの投資・学び直し――この四つで十分。
私自身も、最初から自信があったわけではありません。教員として子どもたちの前に立ちながら、家庭では「6人で暮らす家計」と向き合い、43歳でのサイドFIREという目標を、少しずつ手元の現実に近づけているところです。
「物価高に振り回されているだけの自分」から、「物価高の中でも、複利を味方につけゆるがない自分」へ。今日その一歩目を踏み出すかどうかで、5年後・10年後の景色は確実に変わります。そして、もう一つ。例えあなたが40代であっても遅いということはありません。人生100年時代。今から始める一歩が自分の人生の大きな一歩になります。一緒に、こつこつと続けていきましょう。

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