「学び直しを始めたいけど、何度も三日坊主になってきた」
「資格の勉強を始めても、テキストを開かない日が増えて、気づけば本棚で眠っている」
30代後半、40代の男性会社員や教員の方なら、一度は心当たりがあるのではないでしょうか。私もそうでした。教員16年目になる現在も、机の片隅にはFP3級と簿記3級のテキストが置かれたままです。どちらも途中で挑戦を止めてしまいました。
それでも、私は今もいくつかの新しいことに挑戦し続けています。AIで音楽を作ったり、AIアシスタントを使って簡単なアプリを作ってみたり、ブログを書いたり。なぜ資格には挫折したのに、別の挑戦は続けられているのか。今日はその違いについてお話ししたいと思います。
「学び直し=資格取得」という思い込みが、私たちを疲れさせている
書店に行くと「40代から取るべき資格」「人生を変える国家資格」といった本が並んでいます。ネットでも「30代男性が取るべき資格ベスト10」のような記事が大量に見つかります。
もちろん、資格取得が悪いわけではありません。実際、士業の独立や転職で人生を変えた方は多くいらっしゃいます。
ただ、私自身がFP3級と簿記3級に挫折してわかったことがあります。それは、「資格=学び直しのゴール」と思い込むほど、学ぶこと自体が苦しくなってしまうということです。
合格までの距離が遠く感じられ、「平日に何時間勉強したか」が自分への評価軸になり、できない日が続くと自己嫌悪が積み上がる。気づけば、テキストを開かなくなっている。これが私が経験した「学び直しの挫折ループ」です。
挫折してしまう3つの原因
私が振り返って、また周りを見ていて感じる、学び直しが続かない原因は大きく3つあります。
1つ目は、ゴールが大きすぎることです
「FP3級合格」「TOEIC800点」「行政書士合格」――どれも素晴らしい目標ですが、ゼロから始める人にとっては山の頂上を見上げているような状態です。最初の一歩を踏み出した瞬間、「あと何百時間あるんだろう」という気持ちが押し寄せます。
2つ目は、比較しやすい指標に惹かれてしまうことです
資格は「持っている/持っていない」がはっきりしているので、SNSで「○○合格しました」と発信する人を見ると、自分が遅れているように感じます。本当はその人と自分は別の人生を歩んでいるのに、同じものさしで比較してしまう。これも、続けるエネルギーを削ります。
3つ目は、続けるための仕組みがないことです
「やる気で続ける」のは、忙しい現役世代にとって現実的ではありません。仕事から帰って、家事育児をして、その後にテキストを開く――気合いだけでは続きません。続けるための「環境」や「習慣化の仕組み」を作っていないと、ほぼ確実に止まります。
30歳で大学院に進学して気づいたこと
私自身、20代後半に教育の現場で行き詰まりを感じ、30歳で教職大学院に進学しました。学校マネジメントを研究テーマにした2年間でした。
そこで気づいたのは、「学び直しの本当の価値は、資格や学位ではなく、学ぶ過程で出会う人や視点にある」ということです。
教職大学院で印象に残ったのは、論文の中身そのものよりも、現場経験の異なる先生方とディスカッションしたこと、自分が当たり前だと思っていた学級経営の常識を問い直したこと、そして「自分の知らない世界がまだまだある」と素直に思えたことでした。
修了証は壁に飾れば誇らしいものですが、毎日の仕事や生き方を変えてくれたのは、もっと地味な「考え方の引き出しが増えた」という変化のほうでした。
「小さな挑戦」を積み重ねる、というやり方
挫折してから数年、私は「完結しない学び直し」のほうに自然と寄っていきました。
最近で言えば、AIで音楽を作るSUNOというサービスを触ってみたり、Claude Codeというツールを使って簡単な仕組みを自作してみたり、ブログを書いてみたり、副業の研究としてせどりについて調べてみたりしています。どれも「合格」のゴールはありません。
小さな挑戦をいくつもしている。もっと簡単に言えば、たくさんの三日坊主を繰り返している感じです。初めの頃は「自分は何か1つのことも成し遂げられないのか…」と自己厭悪に陥りそうになっていましたが、このいくつもの小さな挑戦をした経験が今になってつながってきています。
これは、世間一般の「自己投資」の正解ではないかもしれません。でも、考えて何もしないを何度も繰り返すよりは、小さな挑戦を10年積み重ねたほうが、結果的に自分は変わると感じています。
今日からできる、3つの小さな挑戦のはじめ方
最後に、読んでくださった方が今日から始められる行動を3つ提案します。
1つ目:「合格しないと意味がない学び」から、いったん離れてみる
資格を捨てる必要はありません。ただ、当面は「合否のつかないこと」を1つ始めてみてください。気になっていたツールに登録する、興味のあるテーマの本を1冊買う、無料のオンライン講座を1本見る。それだけで十分です。
2つ目:「毎日5分だけやる」と決める
学び直しに失敗する人の多くは、「やるなら30分以上」「集中できる夜にまとめて」と考えがちです。私もそうでした。けれど、続いている挑戦は全部、5分でも触る日を作っています。AIで一行プロンプトを試すだけ、ブログの下書きに一行足すだけ。それでカウントしていいと自分に許す。これが続けるための最大のコツです。
さらにコツを言うと、すでにある生活習慣にその5分をくっつけるという方法です。私は毎朝、服に着替えるという習慣後に、5分だけブログを書いたり、不動産サイトで物件をさがしたりしています。すでにある習慣にくっけると毎日続けやすいです。
3つ目:挑戦を「人に1回だけ宣言する」
SNSで毎日進捗報告する必要はありません。ただ、家族でも友人でも、信頼できる誰か1人に「いま私はこれを始めている」「興味を持っている」と伝えるだけで、挑戦は具体的になります。誰にも言わない挑戦は、いつ止めても誰も気づきません。だから止まりやすい。
まとめ:三日坊主もたくさんすれば、それも1つの挑戦になる
FP3級・簿記3級に挫折した私が、それでも挑戦を続けられているのは、自分が「資格をとることがゴールではない」と気づけたからです。挫折は失敗ではなく、今後の何かの挑戦の下準備。それがわかれば、何回でも挑戦を続けられます。
30代後半・40代の私たちには、20代の頃のような体力もまとまった時間もありません。だからこそ、興味・関心があることから、どんどん小さな挑戦を長く積み重ねていく。これが、私が今いちばん大切だと思っている学び直しのスタンスです。
もし今、学び直しで疲れてしまっているなら、一度ゴールすることから降りてみてください。降りた先で出会う「合格のない挑戦」のほうが、案外あなたを遠くまで連れていってくれるかもしれません。

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